第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
合宿所から出て、二人並んで歩く家までの道で私は笑える程に緊張していた。
隣には右肩に2人分の荷物を持った蛍が居て、その左手は私の右手と繋がれている。
ふと思い出して告げてみた。
『手なんて繋がなくても逃げないよ。』
すると蛍はこちらを驚いたように見て、また嬉しそうに目を細めた。
「初めて手を繋いだ時だっけ?よく覚えてるね。」
ーーーそういうあなたも覚えてるんじゃん。
どうせテレパシーで聞こえてるんだろうから言わないけど。
そして私達2人の間を幸せな空気が包み込んでいた。
ガチャン。
そう私の玄関の鍵が施錠を告げると、私の部屋は一気に緊張感のある部屋へと変貌を遂げる。
そしてなんだか喉が異様に乾いた。
『なんか、喉乾いたね!あ、何か飲み物でも飲む??レモンティーとか……ん、っ!』
言い切る前に後ろに居た蛍に身体ごと後ろを向かされて口を塞がれる。
いつものカプカプとしたキスの後は唇をなぞられた。
そして舌先だけで絡ませ合い、イヤらしい気持ちがふつふつと湧き上がる。
もっと、もっと、と心が騒ぎ出した。
合間に聞こえてくる蛍の荒い息遣いも、いつもの冷静な蛍からはかけ離れていて凄く興奮する。
そして焦る気持ちを知ってか、今度なゆっくりと歯列をなぞられた。
その焦らす様な舌先に懇願するような気持ちが抑えられなくなる。
キュッと蛍の服を握ると、ふっと笑った気配がしておもむろに口内に舌が差し込まれた。
そして今度は激しく舌を絡ませ合う。
頭の中はピンク色に塗り潰されて、もう何も考えられなくなっていた。
ようやく唇が離された時には身体中の力が抜けて、ヘナヘナとその場に座り込んでしまう。
ハァハァと肩で息をする私を見て、蛍は実に満足そうだった。
「喉乾いたのは無くなったの?」
そう意地悪な笑顔で告げてくる蛍に二の句を告げなくなる。
どエロどS意地悪アマノジャク大王め←