第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
竹「じゃあ、交渉成立って事でこれから宜しくね!ちゃん!詳しい事はまた連絡するから!」
『はい。こちらこそ宜しくお願いします。』
そう交わして、編集者の竹本さんは颯爽と去って行った。
晴れてレポーターとなったが、その代償として私達の恋は秘密のものとなった。
でも良かった。たった今出来た初めての彼氏が速攻でいなくなる所だったのだから。
とりあえず恩人である“ゲス野郎”な及川さんにお礼を言おう←
『及川さんのゲスな考えで助かりました。及川さん、ゲスでありがとうございます。』
及「ゲスって…お礼言われてるんだよね?お礼であってるよね?」
蛍「合ってますよ?ゲスさで助かったって事で僕達“カップル”も感謝してるんです。ね?。」
『うん!及川さんのゲスのお陰です!』
及「お、お役に立てて光栄です…。」
そんなやりとりをしていると、遠くから岩泉さんの声がした。
どうやらそろそろバスが出るらしい。
及「もう!これからって時に。まぁ、いいや。これから及川さんに惚れさせちゃうからね!じゃあまたね☆」
最後までキザな及川さんはバッチーンとウィンクをしながら去っていく。
どこまでも騒々しい人だ。
合宿所に入るとか騒いでたけどそれはもういいのか、等色んな考えが頭を回るが私はそこで思考を停止させた。
あの及川さんの事を分かろうなんて不可能で、無駄な事だ。
そこまで考えてようやくゆっくりと安堵の気持ちがせり上がってきて、隣の蛍を見上げる。
私の彼氏を。
と、そこには修羅の顔をした蛍がいた。
あれ?なんか考えていたのと違う。
予想では“良かったね!”とか言い合ってキスをする。的な感じだったのになんだろう、この隣の修羅は…。
『あの、蛍さん?何で怒ってらっしゃるんでしょうか?』
蛍「何で??逆に怒らないわけないデショ。折角カップルになったのに、内緒にしなきゃいけなくなったんだよ?
更に月バリでアイドルになるなんて!今までよりももっと目立ってのファンが出来て大変な目に合うに決まってるし。
せめて内緒じゃなければ僕の彼女に手を出すな、って牽制出来るのにそれも出来ないなんて…。」
ーーー要するに私の浮気が心配って事みたい(←違)