第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
ついに晴れて恋人同士となった私達。
そんな甘い雰囲気も長くは続かない。
早くも最初の喧嘩勃発だ。
「なんで及川さんに会いにいかないといけないの。」
『だってお願いがあるんだもん。』
「そんなに大切な内容なの?あの人じゃないとダメなの?」
『だって、“月バリ”にツテがあるのって及川さんくらいしか知らないもん』
「分かった。会いに行くのは許す。でも僕も付いていくからね。」
『ありがとう!蛍!』
side 月島
ようやく想いが通じたと思ったらこれだ。
でも笑顔で“ありがとう”なんて言われて許さないヤツがいるだろうか。
少なくとも僕はの可愛さにノックアウトだ。
こうやって、嫁の尻に敷かれる夫の出来上がりだな。
なんて遠い未来の事を考えている僕の隣では、ウンウン唸りながらどうやって及川さんにお願いを切り出すか考えている僕の可愛い彼女。
そのお願いというのも、どうやら試合の事だという事で。
うちの烏野バレー部はマネージャーが2人居る為、公式試合になるとは2階の観覧席に1人で行かないと行けないらしい。
こんな時に限って僕はスタメンだし、控えのメンバーの人数的にも2階に行く程烏野に部員はいない。
それじゃあ寂しいから、とは言うが、だいたいが1人で2階なんて僕だって許せる筈がない。
誰か控えの部員と2人っきりっていうのもダメだけど、あんな可愛い子が1人で体育館に居てナンパされない訳ない。
絶対される。
絶対面倒事になる。
そして僕は試合に集中出来ない←
という事で有名誌である“月刊バリボー”の編集者に及川さんを通して掛けあって貰って、何か取材の名目で同じ1階に潜入出来るツテを探したい。というのが事の顛末だ。
あの及川さんに頼むのは癪だけど。
今現在で最良の策が今回の案であって、しょうがなく及川さんに頼みに行くと一緒に行くことになった。
だってようやく念願の恋人同士になったんだから少しでも一緒に居たいし、あんな及川さんの前にを1人で行かせる程僕だってバカじゃない。
そして自慢してやろうと心に決めているのだ←