第2章 新学期と新生活と入部
ガラガラ・・・
控えめに教室のドアを開けると一気に視線が集まるのを感じた。
さっき学校に着いた時は全然人なんて居なかったのにいつの間にか人がいっぱいで教室は賑やかだったようだ。
さっきまでは。
私が入ってからはまた静寂に包まれる。
中には顔を真っ赤にしている人もいる。
この空気はいつも思うけど苦手だなぁ。と思っているとまたあの声がした。
「あ。。やっと来た。遅かったね。」
さっき聞いたあの声が聞こえ、目に入ってきたのは蛍だった。
途端に一気に緊張から解放されてほっと安堵の声が出た。
『蛍ーー!同じクラスだったの??よかったーー!緊張したよぉー!』
急いで席に座っている蛍の隣まで行くとそこにはもう一人男の子がいた。
ソバカス混じりのその顔を真っ赤に染めて口をパクパクしている。
『蛍のお友達??私、!よろしくね。』
「う・・わぁ。ツッキー!こんなに可愛い子と知り合いなんだね!さすがツッキー!すごいねツッキー!」
「山口、うるさい。」
〝山口”と呼ばれた彼はキラキラした目で蛍を見ている。
友達というかファンみたい。
そして蛍は嫌そうな顔をしていて私はついつい笑ってしまう。
「もその顔なに?ムカつくんだけど。」
『うふふ。ちょっと面白くて。ごめんねツッキー!』
「その呼び方やめてよね。面白がっちゃって。ムカつく。」
そう言う蛍はまた不機嫌な顔していたけど。
笑いながら私は心底安堵していた。
その後遅かった原因を蛍に聞かれて新入生代表挨拶の話をした。
そしたらまた蛍の嫌そうな顔が見えた。あの眉間の皺が更に深く刻まれるやつ。
この話題はダメだったかと思ったらふいにバレーの事を思い出した。
『そういえば今日バレー部の人と会ったよ!蛍はバレー部入るの??』
「うん。そのつもり。まぁ適当にやるけど。」
「ツッキーは身長高くてバレーも強いんだからね!ちなみに僕もバレー部なんだ!さんは?」
山口君に聞かれて思わず押し黙る。うーんと考えた素振りをして一言だけ答える。
『もう選手はやりたくないから何かの部活のマネージャーとかやろうかなって思ってるの。』
その瞬間また教室の空気が変わる。
嫌な予感がするのは気のせいだろうか。