第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
結局試合は烏野は一勝も出来ずに青城の圧勝で終わった。
でも烏野が弱いわけじゃない。
青城がただ強すぎたわけでもない。
私という敵に情報が渡り過ぎていたのだ。
そして逆に情報を知られているという状態がどれだけ怖いものかを皆が言葉だけではなくまざまざと体感できたいい経験であったと私は思う。
というか、思いたい。
そんな真面目な私の考えを知ってか知らずか暢気な声が聞こえて来て思考が遮られる。
及「えぇ~!なんで烏野の合宿所にお邪魔したらダメなんですか~!?今日こんなに頑張ったのに~!」
澤「別に何の変哲もない合宿所ですからお見せするもんじゃないですよ。」
及「分かった!ちゃんのドキドキ☆ハプニングを自分たちのモノだけにしようとしてるんでしょ!許せない!そんな破廉恥な考えは許さないんだから!」
岩「おい。ボケ川。俺達の信用を失墜させるような言動を慎めボケ。帰るぞ、グズ。いや、グズ川。」
及「ひど!」
どうやら烏野の合宿所で汗を流したい及川さん(←違)に対して、どうしても入れたくない大地さんの攻防戦が繰り広げられている。
合宿所位入れてあげたらいいのに。
ギャンギャン騒ぐ及川さんの隣に岩泉さんと大地さんが立っており、少し離れた所に花巻さんを始めとする青城メンバー。
更に離れた所には烏野メンバーが居て、成り行きを見守っている。
私はその中のどれもに属さず立っていたが、いきなり横に気配を感じる。
ゆっくり見上げるとそこにはスガさんが立っていた。
目の前で繰り広げられる問答に少し笑いながらスガさんに話しかける。
『大地さん、及川さん達にシャワー浴びる位許してあげたらいいんじゃないんですかね?』
菅「いや、そういう意味じゃないと思うけど。んー。まぁ、いっか!君のそういうのも良いよね。
…ねぇ、ちゃん。今彼氏とか好きな人いないなら俺と付き合わない?」
『へ?』
菅「え?」
『は?』
菅「何かおかしい事言った?」
『いやいやいや!おかしいですよね??』
ーーーおかしい。おかし過ぎる。
どこからツッコめばいいのだろうか、それさえも分からなくなる位おかしい。
気付けばこちらの騒ぎに気付いたのか及川さんや岩泉さん、大地さんまでこちらを見ている。