第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
「おい、。集中だよ!」
その一言に意識を戻される。
声の主を探ろうと声のした方を見るとそこには爽やかな笑顔のスガさんがいた。
実はスガさんも今回青城の助っ人として青城サイドに入ってくれている。
だいたい私前衛じゃ背が足りなくて役に立たないし、なによりもリベロだからブロックとかも参加できない。
その為、前衛の時はスガさんと交代するのだ。
『す、すみません。集中します!』
菅「大丈夫。俺もついてるから安心して」
『は、はい!ありがとうございます!!』
及「(なんでちゃんはイケメンの及川さんには頬を染めないのに、あの爽やか君にはポッてなってるんだろうね、岩ちゃん。)」
岩「(人徳の差だろ。そういう無意味な自信がクソ川がクソである由縁であって、そういう所がまたに嫌われるんだろうな。)」
及「(辛辣な言葉のボディブロー!岩ちゃん、酷すぎる!)」
そしてホイッスルが吹かれ、蛍がサーブの体勢に入る。
綺麗な指でボールを持ち、伏せ目がちな蛍の瞳を見入ってしまう。
宙に浮いたボールを蛍の手が撃ち落として飛んでくる。
そしてそれはまっすぐ岩泉さんに飛んで行った。
エースにアタックを打たせない為の牽制という奴だろう。
岩「っ!コンニャロ!舐めんなよ!1年坊主がぁぁぁ!」
そう叫びながら岩泉さんの手から綺麗な弧を描いて及川さんへボールが飛んで行った。
そして及川さんから金田一君へトスが通り、アタックの姿勢に入った金田一君。
そして金田一君のアタックが決まる。
が
その先には夕ちゃんが飛び込んでいて床にボールは着かなかった。
そして今度は烏野の攻撃となる。
彼らの今の攻撃パターンの全てを把握している私はなんだか冷静だった。
そして影山君なら必ず使ってくるのは日向だと直感的に感じる。
これは試合だ。
そして私は彼らを成長させる為にやるのだ。
そう自分を奮い立たせて目の前に飛んでいる日向に集中する。
そして飛んでくる日向のボールを私はいとも簡単に拾ってしまった。
それは一瞬にして反撃の狼煙となる訳で、すぐさま青城の攻撃となり烏野へ襲い掛かっていく。
スパイのような心苦しさを覚えながら私はひたすらボールを拾っていく。
彼らを強くするために。