第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
花「嘘だろ…岩泉がモテている…。しかもあんなに可愛い子に。」
松「なぁ。及川、白目剥いてね?」
及「アリエナイアリエナイアリエナイ…岩ちゃんが岩ちゃんのくせに岩ちゃんに限って…これはドッキリだ。そうドッキリなんだ。そうに違いない。アリエナイアリエナイアリエナイ…」
岩「お前ら…ひでェ言われようなんだが。…俺だってそりゃあ告られたりするけど、お前らにいちいち報告してねェだけだぞ。」
花「マジか!…なんかお前の事好きな子ってこっそり告白しそうだよなぁ」
松「なんだ結局モテてんのかよ。俺なんて制服似合わないとか散々な言われようなのに…あ、及川が倒れた。」
及「誰か…嘘だと言って…岩ちゃんのくせに…そんな…嘘だ…」
岩「おい。ウザ川そろそろバレーするからとりあえずその鬱陶しい面やめろ。目障りだ。」
及「嫌味もどこか辛辣ッ!!」
そんな漫才のような青城の言葉の応酬を見ながら金田一君と笑っていた私はふと気付く。
『青城は5人ってことは1人足りませんよね?烏野から1人助っ人がいるってことですよね?』
その質問に私の肩に手を置きながら及川さんの満面の笑顔が向けられる。
及「うん!もちろん!よろしくね!リベロのちゃん!」
『へ?』
烏野一同「「「「えええええええぇぇぇぇ!!!」」」」
かくして私は強制的にリベロとして青城の臨時メンバーになったのだった。
それからは反対だと騒ぎたてる夕ちゃんと田中さんに捕まり、大騒ぎだった。
結局どちらにせよリベロは夕ちゃん以外には私しか居ない為、必然的に決定となっていた。
そんな騒ぎの中でも蛍はこちらに一瞥もくれず、こちらに背を向けて山口君と会話している。
---いつもだったら一番に来てくれて、嫌味を言って周りの人を追い払ってくれるのに。
守られていたと気付いてしまったから余計に寂しい。
こんなに悲しい気持ちになるなんて自分でも驚いた。
なんだか蛍と一緒に居ない分、余計に蛍の事を考えている気がする。
『はぁ---。』
皆の輪から少し離れて鞄からサポーターを取り出して着けながら、口からはため息が零れてしまった。
そのため息を聞いて岩泉さんが心配そうにこちらに向かって来てくれる。