第2章 新学期と新生活と入部
こっちではバレーやってたこと内緒にする予定だったのに、初っ端でばれちゃった。
まぁ…女子バレー部の人に見られるよりはマシだったけど。
田中さんという人は相変わらず石化しているけど耳を澄ますと何かごにょごにょ喋っている。
菅「大地ー。田中が全然戻ってこないよ。もうほっといていい?俺、式の準備始めるねー。」
澤「おいおい。田中。いい加減戻ってこい。ん?なんだって?」
田「・・・バ・・・て・・」
澤「バ?」
田「・・・バレーの、天使だぁぁぁぁぁ!」
そう叫ぶと鼻血を出して田中さんはぶっ倒れた。
声も出ないほど驚いている私と失笑気味の先生の前をゲッソリとした様子のバレー部の2人は頭を下げながら通っていく。
澤「すみませんでした。コイツを目の届かない所に片付けたら式の準備しますね。」
呆気に取られている私に対して先生はコホンと小さく咳ばらいをした。
「すまんな。バレー部の彼らがどうしても練習したいってことで2時間前までって約束で体育館の使用許可だしていたんだ。
ところではバレーやっていたのか。びっくりしたよ。
先生バレーはサッパリだが上手いのか?」
『はぁ。まあまあです。中学の頃はベストリベロっていう賞を貰ったことあるんです。』
その言葉に遠くから聞き耳を立てていた二人組は色めき立つ。
菅「大地!あの超可愛い子ベストリベロだってよ!通りであのレシーブだよ。田中のアタック完璧に返してたよね。」
澤「ベストリベロかー。これで女子も強化されるなー。っておい!田中!いい加減起きろ!・・・あの子帰っちゃうぞ。(ボソッ)」
「それはダメーーーーー!!!!!」
そんな大きな声と共に田中さんは体育館の隅で元気に復活していたようだ。
こちらでは先生と立ち位置の練習をしている。
復活してからはバレー部の皆さんは3人で式の準備としてくれている。
緑のシートが体育館中に敷き詰められ、大きな体育館の中にどんどん椅子が並べられていく。
立ち位置の練習が終わった頃には椅子はほとんど並べ終わった頃だった。
先生と私はバレー部の皆さんに小さく挨拶し、教室へと向かった。
先生と教務室の前で別れてから、私は先生に教えられた自分のクラス、1年4組の教室へと入る。
さぁ、新しい生活の始まりだ。