第4章 復帰と合宿とお猫様
ゆっくりと近付いてくるクロの顔を寝ぼけ眼で見つめながら、ふと思ったことが口をついて出ていく。
『クロのスッピン、可愛いーね。』
「はァ?」
そういうとクロがぴたりと止まり離れていく。
そしてブツブツと独り言を言っている。
「(折角の良い雰囲気をぶち壊すか?フツー。くそ。長年の夢だった寝起きキスが。
だいたい烏野に色々されてるはずなのに無防備だし。空気読まねえし。
まぁでもアイツのそういう所が好きな俺もどうかしてるっつーか。
しょうがねぇ、後で自分で慰めるしかないのか。)」
悶々と悩んでいるクロに疑問符が止まらなかったが、すこしするとクロが“そうだ!!”と言う声を上げた。
どうしたのだろうか。旅にでも行くのだろうか←
「なぁ、ちーっとばかし手伝ってほしいことがあるんだけど。」
『な、なに?』
「俺の抜いてくんない?」
『へ?』
“俺の”といってクロに指さされたものはナニで。
つまるところ抜くとはそういう意味で。
理解した途端顔が真っ赤になる。
私達は幼馴染でそういう仲じゃなくて!
いや、もはやクロを男として意識したのも今日が初めてであって!
アワアワとする私に張本人のクロは飄々としていて。
張本人は楽しそうに口角を上げていた。
『クロ、私達幼馴染だよ?』
「何を今更。知ってるよ、そんなこと。でも俺はに欲情した。後でお前の事を妄想しながら一人で抜く。
お前も居ない所で裸の妄想されるよりも可哀そうな俺のお手伝いをしてくれた方がいいだろ?
俺にとってもにとっても良いことだ。まさにwin-winだな。」
『そ、そうなのかな…?そう言われればそうかも…?』
「だろ?ほら始めんぞ。」
そう言うとクロは立ち上がり、部屋の内鍵をカシャンとかけた。
その音に何かが始まってしまったような焦燥感を感じる。
私は布団の中からモソモソと這い出て、布団の上に座った。所謂アヒル座りになる。
鍵を閉めたクロが帰って来て、立った状態で下の短パンを脱ぎ、ボクサーパンツの状態で私の前に胡坐をかいて座った。
恐る恐るクロの方を見てみるとパンツからは完全に形が分かるくらいくっきりと姿を主張しているナニが見えた。
「なぁ、烏野の奴らとどっちが大きい?」
そう聞いてくる顔は至極楽しそうだった。