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Box【HQ!!】

第4章 復帰と合宿とお猫様




直「いいのか?」


黒「どうせコイツ携帯も持ってないみたいだからこっちからしか連絡出来ないですし、烏野もこちらからの申し出なら断れないでしょうし。なによりが居ると士気が上がって練習効率も上がりますよ。」


なにやらヒソヒソと、聞こえないがオーラでクロとコーチが話して良くない方向に話が進んでいることが分かる。
しかし私にはどうにも出来ない。
なぜならクロが言い始めたらもう拒否権はない。
というか拒否しても絶対クロの思い通りに話は進むから、その拒否するエネルギーが無駄なのだ。


そして案の定私はそのままクロの思惑通り音駒の練習試合に連れて行かれることとなった。
監督から烏野には一報入れてくれるらしいが、問題はそこじゃない。
迷子を捜しに行って迷子になった挙句、そのまま他校のマネージャーの手伝いをするなんて100%怒られるわ。
蛍に。
いや、影山君にも「ヴォケ!」って罵られそう…。
大地さんやスガさんや旭さんにも困った顔してため息つかれそう…。
自惚れじゃないけど…最近の皆と接しているから分かる。


面倒なことになったな。


ってか迷子になった日向が一番悪いのよね!
そうだ!そうに違いない!←


自己完結した私はスッキリとして皆が乗り込んでいくバスに乗り込む。
癖でいつも蛍と座る前の方の窓際に座る。
蛍はいないのに…と意識が逸れていると隣にクロが座って来た。



「考え事か?ここにいつも誰か座ってんのか?」



鋭いクロの質問に言い淀む。
そんな私の反応で、なんだか全てを読み取られちゃう気がしてふいっと下に目を向けた。
すると視界にはクロの手が伸びて来ていたのが分かり、弾かれた様にクロを見る。
徐にクロは烏野のジャージを脱がせようとしてくる。
いやらしさのないその手つきにジャージを脱がされながら、真意を探ろうとした私の視線とクロの視線が交差する。


「今からは音駒のマネージャーだろうが。」


そう言って脱がした私のジャージと引き換えにクロのジャージを渡された。
なんだかくすぐったいこの感情をどう表していいのか分からず、とにかく音駒の“クロ”のジャージを羽織る。
途端に包まれるクロの香りに顔が赤くなる。
まただ。
クロに男を感じる。



そして私はこんな時にでも、この感覚を植え付けた犯人の“蛍”を恨めしく思うのだった←

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