第4章 復帰と合宿とお猫様
久しぶりに見たクロはなんだか大人びて見えて、音駒でも主将の貫禄に驚いた。
「宮城って暑いのな。油断してたわ。」
そう言いながらジャージを脱ぐクロに目が釘付けになる。
なんだろう。
烏野の皆と色々あってから今まで感じたことのなかった男性の色気というのを最近感じるようになった。
幼馴染のクロにまで感じるなんて重症だ。
「あ?なんだそんなにジロジロ見て。俺の色気に当てられたか?」
ズバリ言い当てられて驚きながら素直に言う。
『うん。なんか最近男の人の色気?みたいなものをよく感じるんだよね。クロにまで感じるなんてほんとに重症。』
その言葉にクロが目を見開く。
「お前…何された?誰に何をされたんだ?」
その言葉に動揺する。
誰に何を?
今の話の流れからしてそういう関係の質問で。
蛍にキスやあんなこと…
影山君にもキスとあんなこと…
大地さんにはキスで、旭さんにはキスと…
そして旭さんのナニの感触を思い出した私は手を見つめる。
顔が真っ赤な私に何かを感じ取ったクロは怒りでワナワナと震えている。
「複数人に色々されたみたいだな…烏野ぶっ潰す…」
『えぇ!何も言ってないじゃん!!』
「何言ってんだ!その反応でが烏野の男共に女にされたことは分かったんだよ!」
『女って!私まだ大丈夫!処女だもん!』
「はァ!?何を往来で宣言してんだ!そういう意味じゃない!女の本性が呼び覚まされたってことだよ!」
そうお互いギャンギャンと言い合っているといきなりシンとしてしゃがんだクロに、私は首を傾げる。
「でも、の処女残しておいてくれて良かった。」
とんでもない発言と共に下から立ち上がりながらクロに唇を軽く奪われる。
驚いていると、クロの眉間に皺が刻まれる。
「キス慣れ過ぎ。烏野にどんだけキスされたの。」
その言葉に真っ赤になってアタフタしていると更に追い込まれる。
「ここじゃガキんちょが見てるからここまで。次は大人のキスしてやる。覚悟しとけ。」
我に返って周りを見てみると、ゲームセンターに居た小学生くらいの子供たちがこっちを見ていた。
「大人ー!すっげー。でもあっちにいた金髪の赤ジャージの不良いたけどゲームしてた。子供だよなー」
その言葉にクロの目がきらりと光った。