第4章 復帰と合宿とお猫様
大「烏野総攻撃だ」
そう言う部長の言う通り、文字通り総攻撃となった。
ブロックなしで、セッターは鵜飼コーチ、5枚のアタッカー対2リベロの構図となる。
反対コートに立ち塞がる高い壁に対峙しても、隣にいる私の師匠で守護神のゆうちゃんの姿に何故か安心している。
---この人が居れば大丈夫。
この小さい体にそんなどっしりとした安心感を持った彼は、ボールを巧みに返していく。
私も負けじとボールを返す。
50本はいったんじゃないかという所で、日向の空振りによって私達の攻防はあっけなく終わりを告げた。
鵜「お前ら凄すぎるなぁ。じゃあから何かアドバイスあるか?」
『え、うーん。言葉じゃ難しいですけど、みんなもっと膝を使って構えは緩く。結構力んでガッシリ構えている人が多いけど、そんなんじゃ反応遅いの当たり前です。視界は広く、視野は広く。アタックの瞬間のアタッカーの爪の形や、手のひらの皺まで見えるほど集中してください。
後は事前に自分の取れる、動ける範囲は確認しておいて下さい。この範囲まで取れる、その範囲を意識的に日々大きく出来る様にすれば少しずつでも進歩が分かりますし。それにそれ以上の範囲であれば足や飛びつき等、瞬間的な飛び道具の判断が出来る様になります。
とりあえずこんなところですね。』
「「「「す、スッゲーーーー!!!」」」」
そんな皆の声にふと我に返り焦る。
『な、なんか偉そうにスミマセン!えっとあの…』
鵜「いや、俺はコーチ失敗だな。こんなに近くにこんなに良いアドバイザーが居たのに気付かなかった…!」
大「確かに。ベストリベロが2人もうちにいるんだから、もっと活用していきましょう。ラッキーなことには頭が良くて教え上手だからな!」
なんだか改めて褒められるとどんどん恥ずかしくなってくる。
夕「スッゲーな!!俺なんて全然教えられなかったのに!でもレシーブは俺の方が上手だな!俺は師匠だからな!」
『…師匠の癖に教え方下手過ぎ。だいたいドッとかトンで分かる訳ないでしょ。国語出来ないでしょ?絶対バカって分かるもん。』
夕「な!バカ!?そういうはどうなんだよ!」
月「は学年一位だよ」
夕「ガッテム!!!!!」←