第4章 復帰と合宿とお猫様
(時系列が漫画とアニメ違いますが、今回は混合で行きます)
そんな朝のバタバタも終わり、皆が居なくなった後は先生と洗い物をしてから体育館に向かう。
そこには既に潔子先輩が来ていて、コーチにボールを出してくれていた。
延々と続くレシーブ練を見ながら手持無沙汰の私はうずうずしている。
(---もっとみんなスマートに返そうよ!膝を使う!ホラ!反応早く!)
夕「みんなもっとこうバッ!と動いてトンってやるんだよ!!」
(ゆうちゃん…その説明じゃ分かんねぇよ。)
そんな私の気配を感じ取ってか、とりあえずレシーブが皆一回ずつ一周回った時に鵜飼コーチに指名される。
鵜「みんな全然ダメじゃねえか。じゃあ手本に、やってみろ。」
『は、はい!』
皆の前に出て、お手本と言われると少し緊張するが久しぶりのバレーに心が躍る。
鞄から持参していたサポーターを取り出して当て、気合を入れた。
『お願いしますッ!』
気合十分な私に鵜飼監督のアタックが飛ぶ着地地点に素早く移動し勢いを殺してボールを返す。
その流れるような動作に部員のどよめきが聞こえた。
綺麗だ。美しい。上手だ。と、どの言葉も恥ずかしいものだったがそれよりも何よりもバレーが楽しくて堪らなかった。
どのボールも良い角度に飛んでくる。
10本過ぎたあたりで鵜飼監督がノッて来ていたのが分かった。
だんだんノッてきた私はもはやそのボール自体をコーチの打ちやすいように上げていく。
ボール出しの潔子先輩も入らなくなって、いよいよ2人での攻防戦となる。
ドッ、キュッ、ドッ、キュッとアタックとレシーブの音が小気味良く繰り返される中、鵜飼コーチの手が放ったボールがあらぬ方向に飛んでいった。
折角の楽しい時間が終わってしまう気がして残念に思っていると、その先には守護神が走っていくのが見えた。
ボールはゆうちゃんの腕に吸い込まれ、私と同じ軌道を描いてまたコーチの元に帰っていく。
夕「だけズルいぞ!俺だってやってやらァ!」
そう言うと私の隣に入って来て、ツーリベロのツーマンセルとなる。
その動きに感化されてか、鵜飼さんのコートに旭さんや大地さん、影山君に日向に蛍などの面子がアタックを打ちに移動していった。
大「リベロのお手並み拝見だな」