第2章 初出勤
「なにしやがる!」
「うるさい黙れ!こうなると思ったから嫌だったんだよ!この見境なしの口説き魔!」
「はぁ?見境なくねーし!声かけんの可愛い子だけだし!すみれちゃんが可愛いからだし!」
「そういうのを見境ないって言うんだよ!!」
「っていうか、チビ太関係なくね?関わりなくね?俺とすみれちゃんのラブラブトークに口出しすんな!」
「てやんでぃバーローちっくしょー!!ラブラブじゃねーだろがー!!
しかも関わりあるし!大アリだし!すみれを雇った以上、
俺がすみれの兄ちゃんみたいなもんなんだよ!!バーロー!」
「んだよその言い方!すみれちゃんはお前のものじゃねーし!」
「あっ、あのぅ・・・」
お互いの首根っこをつかみ合い、ギリギリとにらみ合っていた二人は、ようやくお互いを解放してくれた。
『ん?』
「お、おなか空きませんか・・・?おでんでも食べて落ち着いて下さい・・・」
*
「はい、どうぞ。」あの日、チビ太さんにしてもらったように、コト、と小皿によそったおでんを出す。
「おお~!すみれちゃんに出してもらうと感動がすごい!あぁ~いいなぁ~」
「てやんでぃバーローちくしょー!俺とじゃ違うってのかぁ?!」
「言うまでもない。」
「バーローちくしょー!おい、おそ松!休戦解除したらば最後、表に出やがれ、コンチクショー!」
「望むところだ!俺が勝ったらすみれちゃんとの交際を認めてもらう!」
「え?!」
「そのかわりオイラが勝ったら今までのツケ、きっちり払ってもらうかんな!」
「えええ~?!」