第2章 初出勤
「……?誰もいませんよ?」
「だ~れが赤いフードの悪魔だって?」
ひょこ、とカウンターから男性が現れた。
「うわ!お前だよお前!女好きのパチンカスの万年脳内小学生!」
「は~ぁ?このおそ松様にそんな口聞いたらどうなるかわかってんの?」
「ひぃぃ……て、てやんでぃバーロチクショーっ!」
「んん~?って、なんでここに女の子がぁあー!?」
「あ、あの……チビ太さんに雇っていただいて、今日からここで働かせて頂く
すみれです。よろしくお願いします!」
ペコリ、と頭を下げた瞬間、がっしり、と手を掴まれた。
「俺、松野おそ松!六ツ子の長男やってまーす!
こう見えて頼りがいもあるし
包容力もあるし夢と希望に満ち溢れた
ビッグなカリスマレジェンドのたまごなわけよー。
投資しとくなら今がチャンスだぜ?」
「は、はぁ……」
「おい!すみれが困ってるだろうが!とっととその汚い手を離しやがれ!」
「あ゛?このおそ松様の清らかなるお手々のど~こが汚いって?!」
そういってチビ太さんをすごい形相で凄んでいるおそ松さんは、
私の手を握りながらブンブンと上下に振り動かした。
そして、急に振り向いたかと思えば、
「ひゃっ!」
「すみれちゃん、手、綺麗だね~すべすべ♪」
いきなり手を撫でられた。
「可愛い声出ちゃったね~♪あ、すみれちゃんって呼んで
いい?いいよね!
俺のことはおそ松ってよnぐはぁ!」
その瞬間、チビ太さんの飛び蹴りによりおそ松さんは横に吹っ飛んでいった。