第13章 お泊り2日目、土曜日の夜
黄瀬視点(続)
「涼くんってやっぱり大きいですね」
「っちは小さいっスね」
「両親も兄さん達も背が高いのに私だけどうして小さいんでしょうね」
「なんでっスかね~」
「返事適当ですね」
「分かんないっス」
「そうですよね・・・ココです」
目の前には扉がある
「鍵開けますね」
そういってカチャカチャと鍵を開け始めた
(それにしても防犯対策万全っスね)
銀行より防犯対策がしっかりしている気がした
「開きましたよ」
屋上
「暗いっスね」
「夜中の1時ですからね」
当たりは漆黒で闇のようだ。けれど
「星きれいっスね」
月と星がキラキラと輝いている
「はい。とってもキレイです」
横を見ると月の明かりで照らされているっちがいた
(色っぽいっス・・・)
「っ・・・!りょっ涼くん?」
無意識のうちにっちを抱きしめていた
「しばらくこのままでいて欲しいっス」
何も言わずにっちは頷いてくれた。
親子並みの身長の差があるが抱きしめる時は、無意識に背丈をあわしている自分がいる
(不思議っスね)
「っち」
呼ぶと「何ですか?」と返事を返してくれる
体を離すと目を合わせる
「っち大好きっス」
そういうとポカーンとした様子で目をパチパチさせている
(本気っスよ)
そのまま彼女の口を塞いだ