第4章 準備
何で思い出したんだろう
8年前の夏の日の事
あんな事件に巻き込まれなかったら
あの病院に入院しなかったら
あの人と仲良くならなかったら
私は今、どんな人になっていたんだろう
腕の傷はまだ残っているこの傷を見るたび思い出す
犯人に腕を切られたときの痛感警察官との銃乱戦そして目の前で撃たれて死んだ2人組・・・5歳だった頃の記憶
紅月さん・・・どうして、信じてたのに
『っ・・・』
頬に伝わる水の感触
泣いてるの?
何がなんだか分からない・・・
マサト「?泣いてんのか?」
『マサト・・・』
マサト「風呂入ろうとと思ったんだ。それより何があったんだ?」
『なんでもない。ただ思い出しちゃっただけ8年前のあの事』
マサト「・・・」
『ごめんね。心配させてごめんね。もう寝るね』
マサト「そっか・・・おやすみ」
『おやすみ』
マサト(どうしたらいいですか・・・紅月 さん
俺には分からないです)
空を見上げたら三日月だけが雲の隙間で輝いていた