第10章 玩愛 〈 マチアプ お兄さん 大人のオモチャ 〉
「どうしました?」
清算を済ませ、カウンターからお兄さんがやってきた。ハッとする。
「お会計ありがとうです、なんか、ハハ、私マジ疲れてたみたいで‥」
「座敷わらしみたいなん見たあッ!?はぁッ!?なんでマッチングアプリでそんな事なってんの!?」
ギャハハ!と電話越しに笑い飛ばされ、私はホッとした。
部屋のベッドで大の字になりながら、今日のことをギャル友に喋っていた。
ーーー幻覚見えたのかと一瞬気にしちゃったけど、
まあ気のせいだったよね、多分‥。
「で、どんな奴だったっ?例のおもちゃ付けさせ大好きメンズは!?」
友達は、怪奇現象よりもお兄さんが気になっているらしい。
「なんか、かなりイケメンで優しくてスマートで‥」
「ええー?それ絶対遊び慣れてるっしょ、他にも女居るべ」
「い、いやでも聞いてっ!!お兄さん、私に独占欲結構出してきた事もあって‥」
と、今日あった出来事全部、喋る。
「あのさあ!好きでも付き合ってもなくても、謎のキモイ独占欲出してくる奴いるって〜」
「え!?ソレま、マジぃ‥?」
友人からの忠告に、私はドキッとした。
「で?好きなん?お兄さんの事」
「そりゃ‥まあ結構?かなり‥?」
と、私はベッドに座って髪をいじる。
「じゃー次会った時、絶対えっちすんなよっ!」
「えええっ!」
「このままじゃ、ただの都合のいい女になるっしょ」
「うっ…!そ、そりゃ恋人になれたなんて思ってないし、セフレとは思ってたけど‥」
これまでの元カレ達を思い出す。
「それだけで済まないかもよ...、マッチングアプリとか‥刺されたりもありえるっしょ?」
ざわり、と嫌な胸騒ぎがした。
「怖いこと言わないでよ‥!でも、最近物騒だしね...この辺りで刺傷事件起こったとか、SNSで見たわ‥」
私は、ネットの記事を思い出す。
「そうそ!その事件の犯人、まだ捕まってないんだから気をつけなね!じゃっ!」
プーッ、プー‥と、電話が切れた。