第263章 ---.首から落ちた花
ゆっくりと門が開くと その瘴気が周囲に充満し姫乃を飲み込んだ。
「ああ、なんていい死の香り!!」
門から巨大な腕が伸びる。
それに姫乃は腕を伸ばすと その手を掴もうとした。
"チガウ"
"オマエジャナイ"
姫乃の腕が 破裂する。
「え…………?」
何が起きたのか理解できない姫乃をよそに 腕は門へと消えていく。
「な………ぜ」
ぼたぼたと落ちる血液。
それに姫乃は気付き、発狂すると門へと近づいた。
「なんで!?なんでよ!!?私が呼び出したんだから、私が主人でしょ!!?」
しかし、無情にも門は閉まる。
そしてそのまま砕け散ると、その破片を姫乃の上へと振らせ、一瞬で消えた。
「なん…………で?」
直後、臨へとその血走った眼を向け、倒れたままの彼女を蹴飛ばした。
「なんで!!なんでよ!!」
黒い鍵が、側へと落ちる。
それを掴んで臨へと投げてみせると、再び喚いた。
「偽物なんじゃないの!?そうよ偽物よ!!そう!あんたも私もただ偽物をつかまされただけ!!ああもうほんと胸糞悪い!!!」
ガツガツと腹部が蹴られ、臨の口から血が吐き出される。
「まあいいわ!あんたは殺す。四肢を切り落として、膣に豚の陰茎を入れて、そのまま流魂街の最下層に放置してあげるわ!!あんたは流魂街の住人に犯されながらこう思うの、ああ白哉様に媚びなんて売らなきゃよかったって!」
一際強い一撃が 臨の腹部にめり込むと、彼女は咳き込んでその左目を姫乃へと向けた。
「何よその目、その目が腹立つのよ!!なんでも知ってる、知らないことなんてないっていうその目が!!」
姫乃の右手が 彼女の左目に触れるとその指を思い切り差し込んだ。