第263章 ---.首から落ちた花
「あら、朽木白哉様。ご無沙汰しておりますね」
縁側に座り 日向ぼっこをする羽澄が白哉へと穏やかな視線を向ける。
すると次の瞬間 白哉は斬魄刀を抜き その切っ先を少女に向けた。
「あ……ら?」
「芭蕉臨は何処にいる」
「……なんだ、既にバレていたのですね」
次の瞬間、細身の少女は腰の斬魄刀を抜いた。
「………貴様」
「臨副隊長が鍵を渡したのは やはり朽木白哉様でしたか。筑前谷の想定内に収まった、というわけです。では、朽木隊長
死んでください」
羽澄の鋭い斬撃が 白哉の眼前に迫る。
それを 即座に避けるものの 彼の左頬が裂け 血が流れた。
「あれ、避けられた?」
二人が向き合い 斬魄刀を構え直す。
「私も臨も 最初は桜木がこの件の首謀者と睨んでいた。しかし、それが貴様ら雷門の企みを隠蔽する為に 手を組んでいたものとは」
「そう、そこまでバレていたのですね。そうなると、桜木も既に……」
「先程 此処へ来る前に 隠密機動が全員を確保したとの報告が入った。時期にここの足も着くだろう」
「だからなんだと言うのです?その前に、貴方を殺して鍵を奪う。そして地獄の門を開けるのです!」
羽澄の霊圧が跳ね上がる。
隊長格に匹敵する程の膨大な霊圧に 白哉は一瞬気をとられると、羽澄は己の斬魄刀を構え、目の前に掲げた。
「薙ぎ払え 夕凪」
小刀が 長く伸び 薙刀のような形状へと変化する。