第261章 ---.貴方を誇りに想ふ
「皆の者、集まったようじゃの」
元柳斎のその言葉に、各隊長達が黙る。
「今朝 一番隊隊首室に芭蕉臨のものと思わしき右目と斬魄刀が届けられた」
「お待ちください総隊長!本当に……それは本当に臨のモノだったのですか!?」
浮竹が動揺したように声を荒げると、元柳斎はその目を薄く開いた。
「黙らんか」
「しかし!!」
「黙らんか!!」
元柳斎の怒号が室内に飛ぶ。
それに口を噤むと、再び元柳斎は言葉を告げた。
「斬魄刀の柄尻は抜かれ その中に何かが入れられていたかのような細工がされておった」
その言葉に 浮竹の顔色が変わる。
しかし、そんな浮竹よりも元柳斎は 白哉へと視線を向け口を開いた。
「朽木白哉六番隊隊長、芭蕉臨本人から 何かを聞いておらぬか」
全員の視線が 白哉へと向けられる。
すると、浮竹は再び声を荒げた。
「何か知っているのか白哉!」
浮竹が白哉に詰め寄ろうとすると、元柳斎の怒号が再び室内に響いた。
「何を知っているんだ白哉!!臨はどこにっ」
「浮竹!!!」
「何か知っているなら教えてくれ!!」
「浮竹十四郎!!!」
「臨は今どこにーーーー」
すると、浮竹の肩に京楽が手をかけ、声をかけた。
「ちょっと落ち着きなよ浮竹」
「京楽………」
「山じい、悪いけど ちょっと浮竹に外の空気を吸わせに行ってくるよ」
次の瞬間、二人が消える。
それを見送ると、元柳斎は再び白哉に視線を向け、口を開いた。
「答えられぬか」
その問いに、白哉は沈黙で返す。
「………あい、わかった」
元柳斎は何故か、それに納得し、声をあげた。
「他に 何か芭蕉臨の失踪に関して知っていることはあるか」
誰も 何も答えない。
すると元柳斎は知らぬかと小さく呟くと 大きな声をあげた。
「これにて、緊急隊首会は閉会とする!!」
「お、お待ちください総隊長!!それでは芭蕉臨はどうするというのですか!?」
砕蜂が元柳斎に問いかけるものの、元柳斎はそれを無視する。
「総隊長………!」
砕蜂は元柳斎を睨み付けると 直ぐに隊首室を後にし 瞬歩で一瞬で消え去った。