第18章 18.6/17 op.2
一番隊舎 隊首室
目の前に立つ臨に、山本元柳斎重國はゆっくりと口を開いた。
「長期駐在任務、誠にご苦労であった。」
「ありがたきお言葉。」
「ときに、朽木ルキアはどうした。」
その言葉に、臨がそっと目を伏せる。
「二人で一時帰還という命令とは理解しておりますが、ここ最近の空座町の虚発生件数は異常でございます。もしものことを考慮し、今回ルキアは置いて参りました。」
一瞬間があく。
「……まあよい。それで、今回お主をわざわざ呼び出したのはその空座町についてじゃ。」
「空座町について……?」
「グランドフィッシャー、を覚えておるか?」
室内の空気が変わる。その様子に、側で控えていた男、雀部長次郎はたらりと冷や汗を流した。
「……忘れたくても、忘れられませんよ。」
そういう臨の握りこぶしから、血が落ちる。すると元柳斎は再び言葉を吐いた。
「最近空座町でそのグランドフィッシャーの霊圧を感知しておる。」
「!!」
バッと顔を上げる臨に、元柳斎が頷く。
「近々奴は何かを仕掛けてくるじゃろう。」
今まで以上に、警戒を強めるようにと告げると、臨はかしこまりましたと告げた。