第249章 414.DEICIDE16
「只今戻りました 藍染隊長」
市丸のその声に 藍染は振り向く。
「……戻ったか。彼女はどうした?」
「殺しました」
淡々とそう言うと 藍染は松本乱菊の霊圧を探し 確かに消えていることを確認した。
「…驚いたな。君はもう少し彼女に、何かしらの情が有るものと思っていたが」
その言葉に 市丸はそんなものはないと吐き捨てた。
「最初にお会いした時に言いましたやろ。
僕は 蛇や。
肌は冷やい、情は無い。
舌先で獲物捜して這い回って
気に入った奴をまる呑みにする。
そういう生きものや
そう 言うたやないですか」
二人が歩を進める。
「そういや あの子らを殺したらどないするんですか」
「死体を町の外の見え易い場所へ吊るしてから 王鍵の創生に執りかかる」
すると 市丸は少し何かを考えたかのように黙り込み だったらと口元に笑みを浮かべた。
「良えやないですか、それやったら。
あの子ら殺すんは、ボクがやります」
そう言って藍染の刀に触れると 一歩前へと踏み出た。
「ーーーーギン」
直後 藍染の胸元へと衝撃が奔る。