第209章 ???.汝、緋の暁にて真実を問う
そして 私は無事に真央霊術院を卒業すると 臨様の侍女になり 身の回りの世話をした。
臨様は やり甲斐が無いほど自分のことは自分でやる人だった為 そこまで役に立てたような記憶はない。
けれど 臨様は 「いつもありがとう」と私の頭を撫でてくれた。
それがどうしようもなく 幸せだった。
「なんで流魂街出の……そんな女がいいのですか臨先生!………小姓なら私だってできます!」
当時 臨先生の下についていた 私と同年代の男の子が 私を指差しものすごい剣幕で睨みつけてきた。
それに臨様はため息を吐き 呆れたような声を出す。
「白哉 君は自分の立場がわかって言っているのですか?」
「わかっています!だからこそ申し上げているのです!なんでこんなパッとしない女が 先生のお側にいるのかと!」
酷い言われようだな と 苦笑いをしていると 臨様はその 白哉と呼ばれたその人に 左手を向けた。
「縛道の一 塞」
「ふぎゃあっ!?」
唐突にかけられた縛道に 男が床に倒れこむ。
「な……何故」
「わかっていないでしょう白哉。四大貴族の君を 小姓にできるわけないでしょう。それに緋真は 私が指名して私の侍女にしたのですからね」
その時の 彼の顔と言ったら……言ってはいけないのでしょうが とても面白くて。
「っ……と……とにかく!貴様緋真といったな 貴様には負けないからな!!」
……その日以降 白哉様は私に何かにつけて勝負を挑んでくるようになった。
「緋真!今日は鬼道で勝負だ!」
「白哉様……またですか?私はこれから臨様の使いで浮竹隊長の所に行かなくては……」
「ならば その浮竹のとこにどちらが先に着くかだ!」
次の瞬間 副隊長は瞬歩で消えた。
「………もうっ 自分勝手なんだから!」