第208章 ⁇?.Idle talk
「それじゃあ 臨の駐在任務の完遂と副隊長の昇進に かんぱーい♡」
『かんぱーい!』
グラスや猪口がぶつかり カチンと高い音が鳴る。
私はグラスに注いだ芋焼酎を口元に運ぶと 乱菊が私の腕に巻き付いてきた。
「ねぇ臨ー♡こっちに戻ってきたってことは まーたお見合いの話でるんじゃないのー?」
「もう何件か総隊長から言われてるんですよね。断るのも何か悪いなっては思ってるんですが……」
「うちの隊長なんてどう?臨に相手ができれば 煩わしい見合い話なんてなくなるだろうし」
「日番谷隊長?年齢差が凄いですし 流石に日番谷隊長もこんなおばさんいやでしょう」
「何言ってんの!年齢差なんてあたしらは関係ないし うちの隊長だって臨のこと」
「臨さん!ならうちの更木隊長なんてどうだ?」
一角のその言葉に あの人苦手なんですよねと答える。
私にとって 更木隊長は天敵とも言える。
顔を合わせば戦え 戦えと瀞霊廷中を追いかけてくるその男に 辟易しているのだ。
「それに ルキアが幸せになるまで 私も結婚する気はありませんよ」
ちらりと恋次に視線を向けると その場にいた人々はあー と 恋次ににやにやとした。
「な なんスか!臨さんもそんな顔して!」
「別に。小さい頃からお前はかわらないなって」
グラスを机に置き 近くにあった枝豆を手に取る。
ぷちりと緑からはみ出る小さな豆を口に入れると じゃあと乱菊は声を上げる。
「臨ー 浮竹隊長とはどうなってんのよー!」
そのまま 枝豆が喉を通り 気管の方に入り込む。
ゲホゲホと噎せると 七緒は大きく眼を見開き 浮竹隊長?とわからない様子で私を見つめた。
「あれー 七緒知らないの?臨と浮竹隊長 昔恋人同士だったのよ」
「そうなんですか!?初めて知りました……」
「っも もう三百年も昔の話ですよ!今じゃただの友人ですからね!」
その様子に 恋次も まさか浮竹隊長と臨さんがと呆然としているのに 思わず怪訝な顔をした。
「ルキアにはぜっったいに秘密ですからね!」