第13章 13.BAD STANDARD
ルキアからほれと手渡されたアヒルのおもちゃみたいなものを渡され、一護が首を傾ける。
「……何だこりゃ?」
「"義魂丸"です。肉体から魂を強制的に抜く丸薬。本来は死して尚肉体に執着する魂魄に使うものなのです。」
簡素な説明を聞きそれをなんで俺に渡す?という目で臨を見ると、苦笑いする彼女。
「万が一、私もルキアも近くにいない時に虚と出会ったら、それを使って死神化してほしいのです。」
「それを呑むと仮の魂が体に入り、本物の魂を抜くことができる!」
ドヤ顔でルキアがそう言うと、一護は不思議そうな顔でアヒルと目を合わせた。
「義魂丸?ソウル✳︎キャンディって書いてあるが」
「そ、それは、義魂丸と言う名ではかわいくない!と女性死神協会からクレームがついてな……3年前に改名されたのだ。」
「なんでアヒルなんだ?」
次々と疑問を投げかける一護にルキアがうるさい!と一蹴されると、代わりに臨が答えた。
「これは元々上からの支給品でして……一応希望はあるのですが一番人気のうさぎのチャッピーが手に入らなかったから二番人気のアヒルのユキになったんですよ。私はユキが好きなのですが……」
「私だってチャッピーがほしかった…….」
そういって不貞腐れるルキアに追い打ちをかけるように一護がウサギが欲しかったのかと呟く。
直後、ルキアの回し蹴りが一護の頭にヒットし地面へと倒れ込んだ。同時に頭を踏まれる。
「さ、さっきの説明じゃ効果がイマイチわかんなかったんスけど……」
「飲め!一回飲めばすぐわかる!」
「ほらほら、人の頭を踏んではダメですよルキア。」
そう言われ渋々と一護の頭から足をどける彼女を見ながら、臨は一護に声をかける。
「このユキの頭を押せば丸薬が出てきます。」
「押すのか……」
ユキを口元へと持って行き、頭を強く押さえる一護。
するとユキの口からグエッというなんとも言えない音とともに、小さい飴みたいなものが出てきて一護はそれをゴクンと飲み込んだ。