第188章 264.Don't Say That Name Again
ルキアの頬から 血が流れ落ちる。
「……どうした 随分と不思議そうな顔をしてるな 朽木」
そう ルキアを見下ろすその人物に 彼女は茫然とした。
「嬉しいぜ 昔のお前なら 今の一突きで死んでた筈だ。部下の成長は上官の喜びだよ」
「…………ど…どうして………どこまでが………本当…なのですか……」
「どこまでが本当か?全てだよ 贋者だとでも思ったのか?俺がお前を殺そうとする事が 何かおかしい事か?忘れた訳じゃ 無えだろう?俺は志波海燕 元・十三番隊副隊長 虚と霊体融合して虚圏に居る。そして お前は朽木ルキアーーーー……俺を その手で刺し殺した女」
思い出される その手の感覚
「納得したか?"俺がお前を殺そうとする"事に 俺に殺される覚悟はあるか 朽木……………自分が殺した男に 償いに命を差し出す覚悟があるかと 訊いているんだ」
「あります」
しかし ルキアは間髪入れずに答えた。
「…ですが 今は未だ……それはできません。私は……私は海燕殿を手にかけました……その罪は何十年経とうと 消して消えることは無いと思っております…………私を斬る事で 海燕殿のお気持ちが少しでも晴れるのならば…喜んでこの命差し出しましょう……しかし 私は今 この虚圏に井上を……仲間を助けに来ております。……井上織姫を助け出す迄は 海燕殿が何と申されようとも この命差し出す訳には参りません……!」
間が 空く
すると 男は両手をあげ 悪いと謝罪を口にした。
「冗談だよ!確かにお前に罪は償って貰いてえとは思っちゃいるが その為にお前を殺そうなんて そんなバカなこと考えるワケ無えだろ!言ったろ お前にしかこなせねえ事があるんだ。お前が本当に俺に償いをしてえと思ってるなら やってもらいたい事があるんだ 朽木」
「………やって…もらいたい………事………?」
「……ああ」
そして 次の瞬間 その男は驚く言葉を発した。
「お前の仲間 全員の首を持って来い」