第177章 248.再び生きて この場所へ
臨がネルを抱き抱えながら暗闇の先へと走っていく。
それを横目に 一護はなんとなく合っているなと思っていると 臨は曖昧に笑った。
「昔のルキアを思い出してしまいまして」
「ね 姉さん!?」
「ルキアにもこれくらいの時がありましてね 仕事に行く時に"私も行くー"って 追いかけてきて……」
「む 昔の話は……こら!一護も興味深そうに聞くな!!」
この話はやめだとルキアが騒ぐ
すると臨はそれにしても暗いですねと眉根を下げた。
「だいぶ目は慣れてきましたが……」
「臨さん!お任せください!この阿散井恋次!臨さんに教わったことをやってみせます!」
恋次がそう叫ぶと 一護は不思議そうな顔をして何か手でもあるのかと問いかけた。
「黙って見てな!ちょっとヒネれば鬼道だってこんな使い方もできるんだぜ 破道の三十一ーーー赤火砲!」
恋次の手元が爆発し 灯りが灯る。
すると臨はそれを見て ため息を吐いた。
「………鬼道だけは相変わらずダメみたいですね」
「たわけっ!下手なくせに格好をつけて詠唱破棄なんぞするからだ!」
ルキアの叱咤の声に どんどん恋次の顔が赤くなっていく。
小さく揺らめく灯りを頼りに 一行は先へと進んでいくと どこかへ抜けたらしく 臨は片手を開き呟いた。
「赤火砲」
途端 周囲が明るくなり その様子がわかる。
それにルキアは流石ですと臨を褒め称えると 恋次は黙って自身の赤火砲を消した。
「………別れ道…ですか」
明るくなった部屋に 六つの通路が見える
そしてビリビリと感じる霊圧に 臨はネルを地面へとおろすと 今度こそお別れですと頭を撫でた。
「……この先の霊圧は キミたちが耐え切れる程の重さではない」