第172章 237.goodbye, halcyon days.
酷い傷を負った臨が 一護のベッドで横になっているのを見つめ ルキアは伝令神機へと耳を当てる。
しかし聞こえるのはノイズ音だけで 霊波障害でも発生しているのかと眉根を寄せると 臨を見つめるその人物に ルキアは声をかけた。
「……一護」
「情けねえ」
ボソリと呟いた声に ルキアは口を噤む。
黒崎一護が二人の元へと駆けつけた時は既に 破面との戦闘は終わっており そこには満身創痍な臨がいた。
生身の人間であれば致命傷だったであろう傷 一護は臨を自身を鍛えていた仮面の軍勢の元へ運び込み 有昭田鉢玄に治療させた。
幸運だったのは 誰一人として臨の受け入れを拒否しなかったことだろう。
「ーーーまあ 臨さんを見捨てるなんて 俺らにはできへんからなァ」
満場一致での 臨の治療。
それでも直しきれなかったその傷に 一護は悔しそうに顔を歪めた。