第10章 9.Monster and a Transfer
こんな奴、力さえあればと目を細めた瞬間、背後から声がきこえた。
「伏せなさい、ルキア!」
「!?」
慌てて地面へと伏せるルキア。
「破道の四 白雷!」
強烈な光線が虚の仮面にかする。そのままそれは電信柱にあたった。
「臨……殿」
『ぶわぁああああか!当たんなきゃ意味ねーっつーの!』
そう言う虚の頭に、電信柱がミシミシと音を立てて落ちる。
『がっ!?』
そのまま押し潰される虚を見て、臨はため息をはいた。
「ルキア……無茶をしましたね。」
擦り傷だらけの彼女に目を細める。
すると彼女は申し訳ありませんと俯いた。
「朽木!」
直後、チャドも現れ、ルキアに寄る。
「すまない……朽木。」
そう言うと彼は俯いた。
『ぐっ。くそ……っ!』
虚が呻く。
第二撃の為に臨は斬魄刀を構えると、それは予想を裏切り空へと逃げた。
「なっ!?」
ルキアが驚き眉間に皺をよせる。
応戦しようと立ち上がると、臨は彼女の前に手をかざし動きを停めた。
「ルキアは下がってなさい。」
「しかしっ……」
「いいから。」
刀を鞘へと収め、両手を柄にかける。
ふっと息を吐くと、虚は目を細めて笑った。
『ナンだその構え、それにこの距離じゃあ刀は届かな……』
直後虚の肩からずるりと腕が落ちる。
飛び散る血に、それは悲鳴をあげた。
『て、てめぇっ、何しやがった!!!!』
片羽を無くした虚が地上になんとか着地する。
『畜生、俺の腕が……っ』
ダラダラと流れる血。
止めだと刀から手を放し、私は口を開いた。
「破道の三十一 赤火砲」
『くそおおおおおっ!!!!!』