第2章 1.Death & Strawberry
少女が携帯電話でマップのようなものを確認し、顔を顰める。
精度が悪いと内心舌打ちしつつ、それをしまうと別れた少女の気配を探った。
「むこうは」
何かに気付いたのか少しだけ目を見開くと、美しい瑠璃の瞳が月明かりを反射する。
一瞬何か思考し、首をふるとその気配の方へと駆け出した。
一方その頃
別れた少女、朽木ルキアは虚を追跡していると、一軒の家に辿り着いた。
「近い……!」
室内に入った途端、虚の力を感じなくなるが隠れたのだろうと自分で納得させると、突然背中に衝撃を感じた。
「近い……!じゃあるかボケェ!!」
あまり痛くはないが突然の衝撃に何が起こったのか理解できない。
その間に喚く少年の言葉を聞き流すと、ルキアは口を開いた。
「き……貴様、私の姿が見えるのか?………ていうか今蹴り……」
「あ?何ワケわかんねぇこと言ってやがんだ?そんなもん見えるに……」
直後、今度は少年の背中に何者かのドロップキックがクリティカルヒットする。
しかし少年もやられっぱなしになることはなくそのまま蹴り返し何者かに直撃させ、怒鳴りつけた。
「見ろコイツを!この家のセキュリティはどうなってんだ!」
どうやらこの少年の父親らしい。
眉間に皺の寄った少年はルキアを指差すと、そう言った。
「見ろって……何を見るんだ?」
少年の父親が不思議そうな顔をする。
それにイラついたのか少年は額に血管を浮かべた。
「何って、このサムライ姿の……」
直後ルキアから無駄だと言われ、少年は閉口した。
「常人に私の姿を見ることはできん。私は------……死神だ。」