第141章 ???.Different Talk
交際期間 何もないほど私達は純情ではなかった。
夏の長期休暇初日 私は学院から抜け出すことも 帰ることもなく ただひたすら練武場にて斬術の稽古をしていた。
きっとそんなに人も残っていないだろう 伸び伸びとつかえる練武場に少しばかり歓喜していることに気がつくと 何者かが練武場の扉を開いたことに気付いた。
動きを止め 汗を手拭いで拭きその人物へ軽く挨拶でもしようと思い 視線を向ける。
するとそこには よく見慣れた白髪の青年がいて 私は面喰らう
「浮竹 お前 家は貴族だろう?帰らなくて良かったのか?」
「ん?ああ 俺は別に跡取りじゃあないからな!それよりどうだ 始解の方は」
「……多少扱いの難しいヤツだが なんとか使えてる。斬魄刀に引きずられてる感があるけどな。」
そう言うと浮竹は笑い 自身の刀にもポンと手を乗せた
「俺もそうさ うちのは二人ともやんちゃだから」
「そうか 浮竹のは二刀一対の斬魄刀だったもんな。」
一本の刀が 始解と同時に二本へと変わるそれを 初めて見たときは面食らった。まあ京楽もそうだが あれのは分かれて以来ずっと腰にふた振り差している。
「そんなことよりどうだ 俺と一本やりあってみないか」
「お前 斬術の授業で一度も私から一本取れたことないじゃないか」
「…………やってみるかい?」
「まあ 構わないが」
浮竹が木刀を持ち 土俵の上に裸足で立つ
「ルールは?」
「制限時間なし 斬拳走鬼含め 負けたら二人ぶんの夕飯を作るってのはどうだ?」
浮竹にそう言われるが その言葉に思わず眉を顰める
「それは私にとって圧倒的不利というやつではないのか?」
「負けを認めるのかい?」
「………やってやるよ」
私が得意なのは斬術一つ 対して浮竹は斬術以外は京楽と並んでトップだ
どう考えても不利だと思いながらも 浮竹がそれじゃあいくぞとこちらの足元に剣を振った
それを跳んで躱し 浮竹の側頭部めがけて己の足を振り上げた