第140章 ???.The Black Past
朽木蒼純と その妻の間に子供が産まれた
彼女も勿論それを祝福し 子供が少し大きくなると蒼純に頼まれ その子供の斬術指導についた
彼女が優しくなり始めたのは その少し後のことだった
ルキアを何者か……否 緋真に押し付けられ 四苦八苦しながら育てる臨に 護廷の人々は親近感を持ち彼女のその厳しさと優しさを理解した
誰に愛されようと 誰に慕われようとどこか孤独だった彼女が 孤独ではなくなった
いつしか 彼女の死にたいという感情は消えていた
彼女は護廷を休隊し ルキアを育てることに専念した。
専念 といっても 霊術院の講師と朽木蒼純の息子 白哉の斬術指導は行なっていたのだが
浦原喜助が十二番隊隊長へと昇進した旨を聞き 彼女は内心喜んだ
稽古をつけている白哉も 死神としての実力がついてきた
ルキアも順調に大きくなり 一人で木に登ったりなど少しやんちゃだが 元気な少女へと育っていった
全てが順風満帆だった
幸福だった
どうしようもなく
浦原喜助が尸魂界を追放された と聞いた時 彼女はショックを受けた
曲がりなりにも教え子の一人だ。一体何を仕出かしたんだと
その当時 多くの隊長 副隊長が消失し彼女は護廷として呼び戻された
席次は 六番隊第三席
何故人手が足りない中でわざわざ六番隊にそのままいたのかというと 銀嶺がただ 彼女を手放したくなかったからにすぎない。
そして同時に白哉が護廷に入隊したことも 六番隊に席を置き続けた理由である。
蒼純が病で倒れた頃 白哉は副隊長に就任し 臨はその直属の部下となった。
それと同時に 彼女は流魂街で緋真という少女と出会う
その勤勉さと誠実さに 朽木家の使用人としてどうかと推した。
そう ルキアの実の姉だ
臨にとって緋真はもう一人の妹のようなものだった
ルキアの姉とは知らぬものの ルキアによく似たその少女に近親感を抱いたのはまあ 間違いないだろう
しかし彼女は緋真がルキアの姉だったなど全く知らなかった
そして 緋真がその妹を探していることも また
緋真と白哉が結婚したと聞いた時は 驚いたし祝福した。
四大貴族と流魂街出身者の婚姻だ 色々障害もあるだろうが 幸せそうな二人を見ていて彼女は幸せだった。
程なくして 緋真は病にかかった