第140章 ???.The Black Past
霊術院に入ってからの成長は目まぐるしいものであった
特に斬術の授業になるとその頭角をメキメキと成長させ 鬼道でも他の生徒の追随を許さずに単独トップに躍り出た
四回生になる頃には その美貌と知性 剣の腕前から慕う者も多く 浮竹や京楽と共に良く目立つ生徒の一人として名を連ねた
その頃から 臨は少しずつ笑うようになったのだ
不器用にも 優しく笑うその姿に恋慕する者も少なくはない
その頃だろうか 浮竹と京楽が臨を抜かし鬼道 歩法 白打でトップへと躍り出たのは
といっても 斬術だけは相変わらず臨の方が上ではあったのだが
そんな中 ある噂がたった
浮竹が臨を好いているという噂だ
事実 誰がどう見ても彼は臨に思慕しており 彼女を好きという者が現れようモノならば その柔和な笑みの裏で牙を研いだ。最も 彼女自身もその事をなんとなく勘付いており 事実恋人関係になった時期もあったのだが それはまた 別の話だ
霊術院を無事卒院し 三人は最初共に一番隊へと入る予定だったものの 彼女は六番隊へと抜擢された
当時 六番隊には朽木家を筆頭に席官は貴族階級しかいないエリートばかりの隊である
そこに入隊した彼女は かなりの異色であった
無論イジメがなかったとは言い難い
がしかし
彼女は強かった
隊長格とまでは行かずとも優に上位席官としての実力を有し 挑みくる人々を無遠慮に薙ぎ倒してしていった。