第140章 ???.The Black Past
光が 見えた
灯りを点けられたと言ってもいい
もう 目覚めてどれ程の時が経ったかもわからない
光に慣れないその眼球を まるで本能でわかっているかのように動かし 目の前に立つソレへと視線を向けた
目の前に立っていた 黒く長い髭を蓄えた恰幅の良い男は彼女を見ていた
憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒 憤怒
彼女はその男に飛びつき 差し出された手に噛み付き指を引きちぎる
滴り落ちる血が 辺りを赤く染め その男の後ろにいた黒いナニかが彼女を捕え抑え付ける
彼女は理性を持たない獣のように吼え その目の前にいる男に憤怒をぶつけた
しかし 男は素知らぬ顔で自分の指を拾い上げ ちぎれた部分へと押し付ける
そしてそこへふうと息を吹きかけると それは直ぐに元のようにくっついた
「名の無い貴様に 名をつけてやろう」
「名は 貴様の鎖となる」
その日から 彼女は
芭蕉 臨となった。