第140章 ???.The Black Past
彼女の一番古い記憶は 気の遠くなるような程 昔の話だ。
総隊長である山本元柳斎重國よりはいかないが 京楽や浮竹が生まれるなんかよりも遥か昔
どこまでも深い 闇
黒
彼女はそこで たった一人 何をするわけでもなくそこにいた
それが一番初めの記憶
始まりの 記憶
ただ 酷く死にたかったことだけを覚えている
孤独 恐怖 絶望 悲壮 憂鬱 憤怒 空虚
何故そんな感情があるのかすら覚えていない。けれど ただそこにその感情があり 彼女を苦しめていた
暗黒の中で 一人
永遠とも思えるような時が過ぎた
彼女は何もわからなくなっていた
ただ 死にたい
何かに繋がれているわけでも 手足を拘束されているわけでもないにも関わらず 彼女は無気力だった
何故私はここにいるのか
何故私は存在しているのか
ここが何処だかさえわからない
今が何時なのかさえわからない