第138章 181.AND THE RAIN LEFT OFF
その声は酷く冷静で ルキアも言葉を失いかける。
しかし唇を噛み締め 頭を下げると言おうとしていた言葉がすべて吹き飛んで 一言だけが飛び出た
「……済まぬ……!」
続けて 言い訳が飛び出す
早く詫びに来なければならないとわかっていた
けれど自分は臆病者で 逃げてばかりで
こんなにもここへ来るのが遅くなってしまった
自分自身でも 惨めだと思った
幾ら言い訳をしても志波家の大切な家族を 尊敬していた上官を殺した罪は変わらない
それなのに 出るのは言い訳で
「済まぬ……本当に私は……」
「もういい」
「え……」
「もういいんだよ!長々あやまんな!!」
空鶴がルキアへと背を向ける
しかし、ルキアはそれを引き止めようとするといいっつッてんだろとルキアの頭を拳で殴った。
「……事情も何も 浮竹から聞いて知ってる。オメーが悪いって訳じゃねえってことも 一番悔いてんのはオメーだってこともな。だから オメーの口から一言詫びが聞けりゃ それで全部チャラにしようとずっと心に決めてた。
だから もういいんだ」
その 酷く優しい声にルキアの瞳に涙が滲む
違う 本当に辛いのは私などではないのだと
「………ありがとう……」
ありがたい
「本当に………済まぬ………」
その直後 ルキアの顔面に空鶴の拳がめり込んだ。
「あやまんなっつッたろ」
「はい……あの……すいませ……いや ありがとうございます……」
鼻血が溢れそれをおさえつける。