第7章 6.microcrack.
ずっと、ずっと言いたかった言葉があるの
あの日 お兄ちゃんが買ってきた花のヘアピンがなぜだかあたしは無性に気に入らなくて あたしはお兄ちゃんと生まれて初めてケンカをした
初めて一言も喋らずにごはんを食べ
初めて壁の方を向いて眠り
そして
いつもあたしより早く仕事に出掛けるお兄ちゃんを初めて何も言わずに送り出した
なぜ あの日でなければならなかったのだろう
言っていればどうなったわけでもない
だけどあたしは言わなかったことをずっとずっと後悔してた
「お兄ちゃん、いってらっしゃい。」
パラパラと欠片が宙へと舞う。
それを四人で見送ると、一護は口を開いた。
「行っちまったな。」
「うん…….」
織姫が切なそうに空を見上げるのを見て、臨は声をかけた。
「織姫ちゃん、痛みはないですか?」
「あ、うん、もう殆ど……そうだ臨ちゃん!さっきの喋り方朽木さんそっくりだったし、やっぱり二人は……それに黒崎くんと臨ちゃんお揃いの格好だし3人揃って……」
「ルキア!」
「はい!」
ライターのようなものが織姫の前で爆発する。
直後彼女はパタリと倒れ、ライターのような物からはあひるのような何かが飛び出た。
「井上!?何したてめえら!?」
「記憶置換です、今夜の事件の記憶を消して代替記憶を入れたんです。」
「キオクチカン?」
一護が不思議そうな顔をすると、ルキアはわからなければ明日を待てと言い、たつきにもそれを喰らわせた。