第97章 -17.逸れ行く星々の為の前奏曲
「…………お前ら……!」
「申し訳ありません!命令違反です!」
「助けに来てんだから見逃せよな先パイ!!」
吉良と恋次が上からの攻撃を抑えつける。
そして雛森は腕を構え、詠唱を始めた。
「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 焦熱と争乱 海隔て逆巻き南へと歩を進めよ! 破道の三十一!!赤火砲!!!」
砲撃が見事、虚の仮面へと当たる。
それに3人は喜ぶが、檜佐木はまだだと叫び、その煙の先から現れた多数の巨大虚に絶望した。
「死にたくないよ………」
誰が言ったのか、もうわからない。
虚達のその手が四人へと迫る。
もうダメだ
そう思った瞬間、その声は聞こえ一気に数々の虚を貫いた。
「破道の四 白雷」
四人の背後から伸びた、まっすぐな白い光。
「ひゃあ、こら大層な数やなァ」
「……待たせて済まない。救援に来たよ。」
「……私一人で充分と言ったのですがね」
その人物へ視線を四人が向ける。
檜佐木はその人物に驚愕すると共に、ホッとした
「五番隊………藍染隊長……!市丸副隊長……………!……臨先生!!」
臨が倒れた六回生の二人に視線を向け、藍染へと視線を移し頷く。
そして一回生の3人と檜佐木によく頑張りましたねと優しく声をかけると、蟹沢の方へ近付いた。
「藍染隊長、そちらはお願いします。」
「ああ、そっちは任せたよ。」