第96章 130.Suspicion2
臨と背中合わせで湯へと浸かる。
夜一は既に湯を上がり、外へと出て言った。
そして一護は、ふと思い浮かんだ疑問を口にした。
「そういや、ここってあそこに似てるよな。浦原商店の地下の……勉強部屋。」
すると臨はそうですよと応える。
「もともとあの勉強部屋はここを真似て作ったものですから。」
「そうなのか?」
「ええ、ここは浦原と夜一が幼い頃、秘密の遊び場として双殛の丘の地下深くに、二人が勝手にコッソリ作った場所ですから。」
「コッソリって……こんなバカでかい空間をコッソリ?」
「浦原は昔からコッソリ悪さをすることだけは病的に上手かったのでね………本当に。」
昔を思い出すように臨が眼を細める。
「……旧い話です。二人が幼い頃はここで毎日のように呼ばれ、浦原が十三隊、夜一が隠密機動に入ってからは、二人ともここで修行をしていました。」
その言葉に一護が臨へと振り向く。
「ちょ、ちょっと待ってくれ臨!十三隊って…….あいつやっぱり死神だったのか!?」
「あいつって…….浦原?」
「そうだよ!!おかしいとは思ってたんだ!尸魂界にやたら詳しいし、斬魄刀は持ってるし…….尸魂界の連中の中には名前聞いただけで顔色が変わった奴もいた!教えてくれ臨………あいつ…何者なんだ?」
臨が一瞬キョトンとする。そしてため息を吐くと、あいつ話してなかったのかと呆れた。
「……彼は、先代護廷十三隊十二番隊隊長、そして、技術開発局創設者にひて、初代局長を務めた男です。」