第94章 128.The Great Joint
四番隊 綜合救護詰所
地下救護牢○七五番
石田雨竜は目が覚め、その体を起こすと自身の傷を確かめ、生きていることに驚いた。
(どうしてーーーー……)
その瞬間、目の前に包帯ぐるぐる巻きのミイラが現れる。
「オウ!目ェ覚めたか!」
それに石田は悲鳴をあげると、再び意識を手放しーーーー
その前に岩鷲が石田の胸ぐらをつかみ大きく揺さぶった。
石田が正気に戻り、誰だ君はと叫ぶ。
強盗かと見当違いなことをいうとその人物は牢の中でケガ人相手に何強盗すんだよと怒った。
「俺だ俺!岩鷲!」
目まで巻かれた包帯を持ち上げ、顔を現す。
「が、岩鷲君!?生きてたのか!よかった!君あまり強くなさそうだからてっきり……」
「そのセリフ…そのままテメーにお返しするぜ……」
そして石田は自分達の置かれている状況を理解し、疑問を口にした。
「それにしても……どうして僕ら二人共ケガを手当てされてるんだ?僕らは侵入者で……死神達の敵だ。尸魂界側に僕らを治療する理由なんてない筈なのに……」
するとその場にいたもう一人の人物がその答えを出す。
「…….状況が変わったんだ……」
「茶渡君!!」
「看守達の会話を聞いていてわかったんだが……瀞霊廷内で隊長が一人暗殺されたらしい。犯人は不明………旅禍はその、最重要参考人というわけだ。」
そう告げると、石田は取り調べの為に生かされたってことかと頭を項垂れた。
「………手錠で霊圧を封じられてなきゃ俺の石波でこんな牢スグに抜け出せるんだけどよ……」
岩鷲の言葉に自身にかけられた手錠を見つめる。そして自身が犯した過ちを思い出し、石田は目を細めた。
「とにかくだ!俺達は生き残りはしたが牢に入れられ霊圧は封じられ状況は最悪だ!だが一つだけ確実なのは…….敵さんがこっちを殺す気がない以上、他の連中も必ず生きてるってことだ!!」