第88章 116.White Tower Rocks
その 名 に、白哉の視線が大きく揺らぐ。
そしてゆるりと岩鷲へと体を向けると、刀の柄に手をかけた
「ーーーーー志波、そうか、貴様志波家の者か。………ならば手を抜いて済まなかった……」
鞘から剣が抜かれる
「貴様はここから………生かして帰すまい」
距離にして十三間二尺
「?何する気だそんな距離から………」
ルキアが叫ぶ
「だめです!兄様!!!!」
「散れ 千本桜」
刀身が 消えた
「ーーーーー逃げろ!!!!」
次の瞬間、岩鷲の体から血が吹き出る。
そして崩れ落ちると今度は花太郎へと目を向け、ルキアはかばう様に花太郎の前へと飛び出した。
「もうお止めください!!兄様!!!兄様………っ!!」
今振りかぶる、その瞬間、その人物は白哉の背後へと現れ、その腕を掴んだ。
「う……浮竹隊長!!!」
「……やれやれ物騒だな。それくらいにしといたらどうだい、朽木隊長。」
白哉の視線が浮竹へと向けられる。
すると浮竹は今度はルキアへと視線を向け、軽い様子で挨拶した。
「おーす朽木!少し痩せたな、大丈夫か?」
「……どういうつもりだ、浮竹」
白哉が思い切り睨みつけるが、そっちこそどういうつもりだと浮竹が眉を寄せる。
「懺罪宮での斬魄刀解放なんて一級禁止条項の筈だぞ。旅禍を追い払う為とは言え……一体何を考えてるお前!?」
「…戦時特令だ。斬魄刀の解放は許可されている。」
その言葉に浮竹は更に驚く。
「戦時特令!?旅禍の侵入がそんな大事になってるのか!?…まさか藍染を殺したのもーーーー…」
その瞬間、辺りに強大な霊圧が包み込む。
それにその場にいた四人は驚くと、空を見上げどこから来るのか探った。
「な、何だこの霊圧は!?明らかに隊長クラスだぞ!!…だが知らない霊圧だ!誰だ!?一体どこから…」
花太郎とルキアは感じ取る。
「この霊圧の感覚はーー……」
下から猛烈な風が吹き上がる。
そしてその場にいた全員が視線をそらに向けると、その人物は大きな片翼を広げ空を飛んでいた。
「ーーー……」
ルキアの目の前にその人物が降り立つ
呆然とルキアはその人物の名を呼ぼうとするものの、横を通り過ぎその人物は花太郎に謝罪を述べた。
「大丈夫か花太郎、悪い、先に行かせて逆に怖い目に遭わせちまったな……………岩鷲は?………………そうか……」
そして、ルキアへと近づくと彼は口をひらいた。