第88章 116.White Tower Rocks
一護が仮面を手に取る。
すると夜一はそれは預ろうと言った。
「え?なんでだよせっかく戻ってきたのに……」
「よ こ せ 口 答 え は 許 さ ん 」
その尋常じゃない覇気に一護は冷や汗を垂らし、どうぞお納めくださいと夜一に渡した。
ぶちぶちと文句を言う一護を横目に、夜一が何かを考える。
すると一護は二人ともスゲーよなと言い始めた。
「あんだけ隊長格がウロウロしてる中で夜一さんはキズ一つ負ってねえし……臨も俺よりも小せーのにアッサリこんなとこまで運んできちまうし………」
「いえ、夜一も刀を持ってくれたので少し楽でしたよ。」
「ああ夜一さんも………え?」
一護が夜一の姿を確認する。
すると夜一は元の姿に戻れば造作もないと伝えると、一護は元の姿と聞き返した。
「ああ、そういえばおぬしらにはまだ一度も見せたことはなかったの……いいじゃろう、ここまでくれば隠すこともあるまい」
メキメキと夜一の姿が変わっていく。
それを見て、一護は目を見開いた。
「見せてやろう、儂の………真の姿を」
四足歩行の獣が二足の化け物へと変わり、徐々に人へと近づいていく。
褐色肌の 美しい女性
それに一護は驚き体を起こして指を指し絶句する。
「フ……….どうやら相当に驚いておるようじゃな……無理もない、大方おぬしも言葉遣いだけで儂を男と思い込んでおったクチじゃろう、青い青い!しかしこの正体を明かす瞬間というのは何度味わっても良いもんじゃの、どいつもこいつも阿呆のように驚くばかりじゃ!ゆかいゆかい………さて……ではいよいよ儂と臨がどうやっておぬしをここへ運んだのか教えてやろう、まずこの道具じゃが……」
「夜一服を着なさい!!」
そんな臨の声が室内に響いた。