第88章 116.White Tower Rocks
双殛の丘の下に、木々に隠されるようにできたその場所で臨が一護の腹に包帯を巻いていく。
そして薄っすらとその瞳を開く一護に臨は意識はハッキリしてますかと聞くと、彼は視線だけを動かして彼女に礼を言った。
「またアンタに助けられたのか……ありがとな」
「私よりも、あれだけの傷で即死しなかった自分の生命力に感謝ですよ。まったく…………無茶をするんですから。」
呆れたように一護の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
すると一護は何かを思い出したかのように跳ね起き、その腹部から血が溢れだした。
「なっ、動く奴がいますかこのバカ!自分の怪我の程度がわかってないんですか!!」
「っチャドが危ねーんだ……助けに行かねーと………」
その言葉に呆れたように臨が笑い、ため息を吐く。
「……茶渡くんなら大丈夫ですよ。織姫ちゃんも、石田くんもね。」
そうして一護の額をおして横にした。
「大丈夫って……」
「戦った相手が良かったんです。傷は負いましたが生きてる。織姫ちゃんたちは上手く敵をかわしてほとんど無傷ですよ。……とにかく、しばらくはその結界の中で大人しくしててください。半死人が助けに行ったところで役に立たないですし……」
「何しろ臓物の半分が潰れておったからの……」
その声に二人の視線がそちらへと向く。
そこには夜一がいて、臨はおかえりなさいと呟いた。
「うむ、一護、これが懐に入っておらねばおぬしの胴は真っ二つになっておったところじゃ。」
かたりとそれを転がす。
「しかし驚いたぞ、おぬしがまだこれを持ち歩いておったとはな……」
それを見て、一護は驚愕した。
「それが……入ってた!?俺の懐に……………!?」
仮面
「持ち歩いていたんじゃないんですか?」
臨がそう聞くと、花太郎に言われて地下水道に棄ててきたはずなんだけど言うと、夜一と臨は顔を合わせた。
「あ、花太郎ってのは四番隊の奴でさ、敵なんだけどいー奴なんだ。恋次にやられたキズもそいつが治してくれたんだぜ!……それにしてもなんでこれが懐に……確かに棄てたとおもったんだけどなーーー……」