第87章 115.Remnant
それを見て岩鷲が大丈夫なのかよと問いかけるが、花太郎は大丈夫ではないと答える。
「……でも、昨夜思ったんです。一護さんがあんなに傷だらけになって戦ってるのに……ぼくはただ、いつもいつも逃げ回ってるだけなんて……かっこわるいじゃないかって………ぼくだってルキアさんを助けたい、だからその為にできるだけのことはしようって……そう決めたんです。」
といっても鍵を盗むことくらいしかできないんですがねと笑うと、岩鷲は真剣な顔でそれで充分なんじゃないかと呟いた。
鍵が開く。
「まったくよ、どいつもこいつもそんな必死んなって助けてえなんて……そのルキアって奴はよっぽどのカワイ子ちゃんなんだなァオイ!」
扉が開く。
「どれ、いっちょお顔をおがんでやっか!おーーいルキアちゃーー…….」
その顔を見て、岩鷲は驚愕した。
「…….誰だ…?一護の…….仲間か………?」
岩鷲の脳裏に あの 死神の顔が思い浮かぶ
「ぼくですルキアさん!!よかった!ご無事なんですね!!」
「お前花太郎!どうしてここに……」
「話は後です!さあ!岩鷲さん!急いで逃げま……」
花太郎が岩鷲の様子に気がつく。
「あ、あれ…….?岩鷲さん…………?どうしちゃったんですか!?岩鷲さん!!」
ルキアが岩鷲へと視線を向ける。
そして大きく目を見開くと、見覚えのあるその紋様に息を飲んだ
「その服の紋様……墜天の崩れ渦潮…………お前、志波家の者かーーーーー……?」
その言葉に花太郎が驚く
「な、なんだ……知り合いなんですか……?」
そう言うと岩鷲は喉を鳴らし、ニヤリと笑った。
「ーーーーああ、知ってるぜ、忘れるもんかよそのツラ………そいつは….
俺の兄貴を 殺した死神だ」
「な……何言ってんですか岩鷲さん、ルキアさんがそんな……」
「兄貴の傷は刀傷だった……首筋を裂かれ、胸を一突きにされてた…………虚と戦ったって言うんならどうして刀傷で死ぬ!?それにあの時こいつは俺に言ったんだ!!"自分が 殺した"ってよ!!!」