第80章 96.BLOODRED CONFLICT
一護の額からボタボタ血が地面へと落ちる。それを見て花太郎は凄いと呟いた。
(くそ……目の前が揺れる……)
ぐらりと一護の身体が前のめりになる。それを見て恋次は立ってるのがやっとみたいだなと刀を構えた。
大きく振りかぶり、伸びる刀身
「終わりにするぜ。」
再び刀が振り下ろされる。
それを間一髪で避けると、一護は近くの建物の屋根へと上り次の攻撃に備えた。
恋次が追いつき刀が一護の足元を崩す。それと同時に斬月でそれを受け止めると更に爆煙が舞った。
「阿散井君がいない!?」
三番隊副隊長吉良イヅルが声を荒げる。どうしてと目の前の人物にといかけるも、その人物、雛森もわからないと答えた。
「さっきの集会の後、突然いなくなっちゃって………それで、探してたら六番隊の副官室の前にこれが」
椿の門が入った副官章が差し出され、吉良も驚愕する。そしてこのことを隊長たちに伝えたのか聞くと雛森は首をふった。
「ううん、話してない……藍染隊長には話そうかとも思ったんだけど……でも、もしそれで阿散井くんが罰を受けたりしたら嫌だし」
「……現時点で阿散井君のいなくなった理由がわからない以上、それが一番賢明な処置だと僕も思う。」
その言葉に雛森がホッとする。しかし吉良は考え込むように顎の下に手を当てると、ぽつりと言葉をこぼした。
「彼はこのごろ朽木女史のことで色々と思いつめてたようだったし…….大事にならなければいいけど……」