第71章 83.COME WITH ME
練武場にて、一護が大の字で寝ているのを横に岩鷲が紙を読み上げる。
さらにその横で臨も壁を相手に一人白打の練習をしていると、突如一護がまたたびと叫びながら起き上がったことに驚き体勢をくずした。
「っだ!?」
顔面から床に激突する臨。
それに何してんだと一護が聞くと、臨は恨めしそうに一護を見つめ別にと答えた。
「そんなことより、起きたのなら出発しますよ。」
「出発?」
砲台の前に一行が現れ、夜一が揃ったなと見回す。
すると一護は夜一の様子がおかしいことに気がついた。
「どうした夜一さん?しっぽがよく曲がるハブラシみたいになってんぞ?」
すると辺りの空気が冷えた。
「何か………文句でもあるのか?」
その様子に一護も狼狽える。
すると空鶴は岩鷲はどうしたと臨に訊いた。
「下で何か読んでましたよ、どうしま……」
「ちょっとまったあ〜〜〜!!!!」
辺りに岩鷲の声が響く。
「ヒーローは……遅れて到着するもんだぜ!」
その服に一護は何とも言えない顔をする。
「何だそのカッコウは?」
「岩鷲様専用バトルコスチュームだ!かっこいいだろ!泣いてたのんでも貸してやんねーぞ!ザマーミロ!」
「バトルコスチュームだあ?なんでみおくりのてめーがそんなカッコ……」
すると岩鷲はずんずんと一護に詰め寄り、一護の胸倉を掴んだ。
「俺の兄貴は!死神に殺された!!」
「岩鷲てめえっ……!!!」
空鶴が言葉を止めようと立ち上がろうとするも、岩鷲の様子に止まる。
「……兄貴は天才だった、流魂街の出でありながら死神統学院に一回で合格した。その時点で霊力は六等霊威。護廷十三隊の副官補佐クラスだった。その後も六年あるカリキュラムを二年で卒業し本隊に入隊、たった五年で副隊長にまで登りつめた…………だけど兄貴は殺された!仲間だった死神共に裏切られて!!」
一護の胸倉を放し、真っ直ぐに一護へと視線を向ける。