第58章 70.Where Hollows Fear To Tread
浦原の声に門へと近づく一同。
「この門は、通常の穿界門の上から霊子変換機を重ね、それを結合符で覆って固定してあります。」
「霊子変換機?」
一護がなんだそれと言わんばかりに浦原に問う。
「そっス、知っての通り尸魂界は魂魄の世界……そこへ立ち入るには魂魄の姿でないと不可能っス。しかし承知の通り、魂魄の姿で移動できるのは死神である黒崎サンと臨サンのみ。他の皆サンは体から魂魄を抜いても因果の鎖がついてるから尸魂界にいくどころか殆ど移動もできやしません。
そこで霊子変換機!こいつは現世のあらゆるものを構成している"器子"と呼ばれる物質を魂魄の主構成物質である"霊子"に変換することができるんス!」
「つまり魂魄を抜かなくてもこの門をくぐれば……」
石田が納得したかのように頷く。
すると一護はわかったと叫び、早速乗り込むと歩を進めた。
しかし途中で浦原により腰に突きを喰らう。
「本題はここからっス♡」
あまりの痛みに一護が手で腰を支える。
「確かに、この門をくぐることそれ自体には何の問題もありません、霊子変換に苦痛は伴わないし、先へ進めば確かに尸魂界にたどりつく。問題は時間なんス。」
そういうと浦原は指を4本立て、前へと出す。
「我々が穿界門を開いて尸魂界へと繋いでいられる時間はもって4分!」
その言葉に驚愕する一護たち。
「それを過ぎると門は閉じ、キミ達は現世と尸魂界の狭間である"断界"に永久に閉じ込められることになる!!加えてその断界には虚などの外敵の侵入を防ぐため"拘流"と呼ばれる魂魄の動きを奪う気流が満たされています。こいつに足の一本でも搦めとられれば、時間内に断界を抜けられる可能性は限りなくゼロに近くなる。」
「ど………どうすれば」
織姫がそういうと、黒猫は近寄り、言葉を発した。
「前に進むのじゃよ。」