第42章 54.名も訊けぬ子供
「何なんだよあのヤローは……?」
一護に入ったコンがぼそりと呟く。
「一護を死神化させたと思ったら、次は家族に怪しまれないようオレを一護の体に移し変えてさっさと消えちまった……何なんだ、一体なにたくらんでやがんだ?さっぱりわかんねえ…………………やっぱりあいつキモチワリィ」
オレだって死ぬほどネエさんの元に駆けつけてーのにと自身を抱き上げた。
刀がぶつかり合う。
「オラオラオラオラぁ!!どうしたどうしたァ!?」
一護が恋次の刀を受け止め続ける。
正しく防戦一方
「何だてめぇ!?そのデケー刀は見かけだけかよ!?あァ!?」
「ベラベラうるせェ奴だな……ッ舌噛むぞテメー!」
憎まれ口を叩いてみるが、速さは恋次が上、それでもと大刀を振り下ろしてみると、避けられた。
辺りに、赤が舞う。
斬られた
そう気がつくのにすこしばかり時間がかかる。
「終わりだな、てめーは死んで、能力はルキアへ還る。そしてルキアは尸魂界で死ぬんだ。」
ルキアと一護の目が合う、しかし、すぐにルキアは彼と視線を外した。
「しっかしバカだなてめーも、せっかくルキアがてめーを巻き込まねえように一人で出てきたんだ、おとなしくウチでじっとしてりゃいいものを追っかけて来ちまいやがって……てめーなんかがおっかけてきてどうにかなるとおもってたのかよ?てめーみたいなニワカ死神じゃオレ達本物にはキズ一つだってつけられやしねえん」
一陣の風が吹く
すると恋次の顎に、一つの傷がついた。