第42章 54.名も訊けぬ子供
恋次が目を見開き、その出で立ちに驚く。
「………………死覇装だと……?」
それもそのはず、空座町の管轄は現在朽木ルキアと芭蕉臨の筈だ。それ以外の死神が現れるなどありえることではない。
「なんだテメーは……何番隊の所属だ!?」
考えられるとしたら鳴木市の管轄の十番隊くらいだ。
しかし見たことがない。
だってこんな奴がいたら、絶対に見逃すわけがないのだ。
「何なんだその、バカでけえ斬魄刀は……!?」
「なんだ、やっぱりでかいのかコレ。」
刀がガシャリと音をたてる。
「ルキアと臨のと比べてずいぶんデケーなとは思ってたんだけどな、なにしろ今まで比べる相手がいなかったからよ!」
恋次の額に冷や汗が流れる。
(何だ!?こいつのこのでかさは!?斬魄刀のでかさは霊力のでかさだろ!?こんなガキがこんなバカでかい力を持ってるってのか!?まさか!!)
するとルキアが口を開く。
「一護……莫迦者……何故きたのだ!」
それに一護が何者なのか恋次が理解する。
「そうか……読めたぜ、てめえがルキアから死神の能力を奪った人間かよ……!」
「だったらどうするってんだ?」
恋次が高く飛び上がる。そして同時に刀を大きく振りかぶった。
「殺す!!」